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「日本の古民家」探訪 その7

今回は能登半島にある、上時国家住宅(石川県輪島市)をご紹介します。

時国家は江戸初期から続く豪農で天領大庄屋を務めた名家です。

住宅は江戸後期に21代当主が28年をかけて建築したと伝えられています。
まずは巨大な屋根が目を引く外観で、茅葺の入母屋屋根に、瓦葺きの庇を廻していま
す。玄関はカーブが曲がった唐破風のけやき造りで、中は公用部分とプライベートな
部分を分けています。公用部分の中心には、縁金折上格天井の「大納言の間」を置い
て、その格式を表しています。庭園も見事で、鎌倉時代の様式とされています。
今回は、三和土(たたき)と呼ばれる土間に注目したいと思います。
三和土とは消石灰、にがり、粘土入りの山砂利を混ぜて練り、床に塗り、小槌で叩い
て固めた土間をいい、左官職人の手によるものです。三種類の土を混ぜたことから「
三和土」と書く、とも言われています。三和土は痛みにくく、格の高い民家の土間に
用いられてきました。
現代を基準にすると、凹凸が目に付きあまり良い状態と言えません。
しかし、網目状に広がる独特の模様や、入口からの光が苔の生えた床に反射し、内部
が緑色の光に包まれた空間は、
長い時間受け継がれてきた古民家ならではのものです。
このような空間は、初めから予想していた訳ではないと思います。しかし、長く使う
ことができる建築を造り上げれば、ご褒美のように新たな魅力が生み出される
事もあります。目立たない場所、簡素なデザインであっても確かな仕事をすることの
大切さを、三和土は教えてくれている気がします。

住宅は江戸後期に21代当主が28年をかけて建築したと伝えられています。まずは巨大な屋根が目を引く外観で、茅葺の入母屋屋根に、瓦葺きの庇を廻しています。玄関はカーブが曲がった唐破風のけやき造りで、中は公用部分とプライベートな部分を分けています。公用部分の中心には、縁金折上格天井の「大納言の間」を置いて、その格式を表しています。庭園も見事で、鎌倉時代の様式とされています。

今回は、三和土(たたき)と呼ばれる土間に注目したいと思います。

三和土とは消石灰、にがり、粘土入りの山砂利を混ぜて練り、床に塗り、小槌で叩いて固めた土間をいい、左官職人の手によるものです。三種類の土を混ぜたことから「三和土」と書く、とも言われています。三和土は痛みにくく、格の高い民家の土間に用いられてきました。

現代を基準にすると、凹凸が目に付きあまり良い状態と言えません。しかし、網目状に広がる独特の模様や、入口からの光が苔の生えた床に反射し、内部が緑色の光に包まれた空間は、長い時間受け継がれてきた古民家ならではのものです。このような空間は、初めから予想していた訳ではないと思います。しかし、長く使われる建築を造り上げれば、ご褒美のように新たな魅力が生み出される事もあります。目立たない場所、簡素なデザインであっても確かな仕事をすることの大切さを、三和土は教えてくれている気がします。 

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