「日本の古民家」探訪 その4
週末、2週続けて台風が日本列島を直撃しました。そこで今日は、台風に関連した古民家をご紹介します。
「いしぐろの町並み」(高知県室戸市)は、台風銀座と呼ばれる室戸岬に近い集落だけあって、雨風に備えた造りになっています。この地域は古くから農林業が盛んで、木材や薪などを京阪神に運んで潤ったといいます。明治に入ると木炭の生産が始まりました。吉良川炭と呼ばれる白炭は、黒炭より固くて火力が強く、長時間持つため、備長炭の中では最高クラスとされました。
こうして財を成した人達が造り上げたのが「いしぐろの町並み」です。「いしぐろ」とは風から家を守る塀のことで、半割りにした玉石と、大きな角ばった石による石垣が独特の表情を見せています。
土蔵には壁に庇が幾重にも付けられていて、横から叩きつける雨水を逃し漆喰の白壁を保護してくれます。屋根勾配も、強い風を考えてか比較的緩やかになっています。
壁についた庇を初めて見たときはびっくりしました。最初、壁に庇を付けた人は、色々言われたかもしれませんが、理にかなったデザインです。正しいと信じたものは勇気をもって実行していく、それを「いしぐろの町並み」は伝えているのではないでしょうか。
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