「日本の古民家」探訪 その6

富山の人にとって、金沢は割と気軽に遊びに行くことができる街です。その金沢の郊外にも、是非一度は訪れてもらいたい建物が残されています。それが「喜多家住宅」(石川県野々市市)です。

喜多家住宅は町屋で、通りから見た外観からは想像できませんが、中には豊かな空間が広がります。玄関をくぐり通り庭へ進むと、上には美しい梁組が広がっています。

中は数奇屋風(茶室風)で、通り庭の梁組のような水平と垂直が整った一般的な和室のイメージと違い、自由な造りとなっています。そこから眺める庭も見事なものです。

奥に残されている蔵は、喜多家が幕末から行っていた酒造りのために使われていたものです。実は住宅も一度火災に遭ったため、明治期に市内から移築してきたものです。

通り庭の吹き抜けが現代の住宅にあったとしたら、冬寒くて嫌がられるかもしれません。しかしながら、木の柱や梁による空間は建築だけが持つ魅力で、他に代え難い。ここを訪れたとき感じました。

 

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